| -----------------カトリーヌの特別手記-------------------- 「にゃんまげの謎に魅せられて」 --------------------------第一章-------------------------- それは、ゴールデンウィーク前のある時期から始まっていた。 最初はそのキャッチーな音だけが妙に耳についた。 「にゃんまげにとびつこう!ちゃんちゃん!」そして、目に飛び込んで来たのは無表情にたたずむ変てこな、着ぐるみだった。私の第一印象は「ぅわっ!安っぽー!」だ。 一瞬しか見なかったが、それがちょんまげをした猫で、それを安易に[にゃんまげ]と呼んでいるらしい事には気がついた。日光江戸村のCMだ。 次に私が遭遇したのは地下鉄の駅貼りのポスターだ。 そこにはお侍さんと、例の変てこな着ぐるみが、ばかでっかいコピー 「来てちょんまげ」の活字をはさんで立っていた。お侍さんは「今なら入村料1500円ビックリバーン!」の掛け軸系のものを掲げている。 なんなんだ、ビックリバーンって... 相変わらず着ぐるみは無表情だ。紙面の下の方にはにゃんまげが団体客を引率しているイラストが一列になっているのだが、その団体客がコピーアンドペーストのあらしなのだ。これはもう、狙ったとしか思えないヌケっぷりだ。私は一種の感動を味わいながら、このにゃんまげポスターにくぎづけになっていた。 ひょっとして、このセンスはただ者では無いのではないか?! 早速、アトリエでみんなに報告してみたが、反応は冷ややかだった。確かに私にも疑問が残った。過去の記憶を手繰ってみても、としまえんじゃあるまいし、今まで江戸村のCMで、あんなB級ノリのびみょーなセンスの物は見たことが無い。 突然、なにかが変わったのだろうか... それとも、やはり、みんながいうように、マジなのか?本当に抜けちゃってる人があのポスターを作ってしまったのか?これはひとつ、調べなくてはなるまいて... ![]() --------------------------第二章-------------------------- 夜の庭は満月に照らされている。 私は池のニシキゴイにえさをやるふりをして2度手をたたいた。 「ただいま戻りました」庭の隅の石灯篭の影から声がする。 私が極秘のうちに、にゃんまげ情報を得るために送り込んだ密偵だ。 一瞬静かになった庭の虫が再び鳴き始めた。 「やはり、例の村には新たな助っ人が入ったようにございます。」 「何者だ?」 「うわさによりますと大手広告代理店Hのつわものたちのようにございます。」 私は思わず扇子でひざをたたいてうなった。 「うーむ,やはりそうであったか...」 「はい、あの戦術をみましても、ほぼ、間違いないかと...」 「しかし、良く村長さまが納得したものよのぅ」 「村長ではなく、将軍さまですが。おそらくそこは戦の術に長けたる者たち。 正攻法で説得したのではないでしょうか。」 「すると、その将軍さまにとっては、にゃんまげはA級キャラということになるのか?」 「おそらく...あるいは、全面的に大手広告代理店Hを信頼しているということも考えられます...」 「うむ。将軍様も納得し、しかも自らの創作欲をも満たす戦略とはっ! それゆえ、Hはギリギリの線を狙って広告を放ったワケか..」 私が魅せられた、あのびみょーなB級っぽさにはそういう理由があったのか。 満月の上をよぎって行く雲を見上げながら私はつぶやいた。 「大手広告代理店H...なかなかの使い手と見たぞ!」 一瞬、笹の葉が風で揺れたように見えた。密偵の姿は庭から消えていた。 -----このコラム、後半はかとりーぬのフィクションです。本気にしないでください----- |
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